光のもとでⅠ
 そう言われると返す言葉もない。ただでさえ無理を言っているのだ。
 仕方なく、言われたとおりに車椅子に座った。
 警護室の前には黒いスーツを着た男の人が四人立っていた。そして、私たちが前を通り過ぎると後ろからついてくる。
「先生……? もしかして警備の人たちもみんな……行くの?」
「当たり前でしょう? じゃなかったらなんのための警護よ」
「……総勢何名の方が動くことになるのでしょう」
 恐る恐る訊くと、
「翠葉についてるのが十人、私についてるのが十人。各警護班の三人が内勤で一人が休み。警護についている人間の二人が休みだから総勢十四名かしらね。……それが何?」
 私はため息をつく。やっぱり湊先生も歴とした藤宮の人なのだと。
 一階に着き、救急搬送口から外に出てびっくりした。そこには黒塗りのリムジンと、その前後に数台の車が停まっていたのだ。
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