光のもとでⅠ
「リィ、もし電車で行くとしたら五時の始発に乗っても難しかったよ?」
唯兄がノートパソコンのディスプレイを見せてくれる。そこには、藤倉を五時に出た場合の到着時間が表示されていた。空港に着く時間が六時三十八分。
「佐野くんに感謝するんだな」
蒼兄に言われてコクコクと頭を上下に振った。
そこではっとして佐野くんにメールを送る。
あのあとの経緯と、今湊先生や蒼兄たちも一緒に空港へ向かっていること。まだ、どんな言葉を使って伝えたらいいのか、具体的な言葉は決められていない。けれど、昨夜相馬先生にツカサが好きだからだめです、と言えたのだから、最悪の場合そのままを伝える、と。
相馬先生にも言えたのだから秋斗さんにも言える――というのは自己暗示的なおまじない。
色んなことを考える時間が欲しかったし、車の中で考えられるものと思っていた。けれど、私は抗いようのない眠気に襲われた。
唯兄がノートパソコンのディスプレイを見せてくれる。そこには、藤倉を五時に出た場合の到着時間が表示されていた。空港に着く時間が六時三十八分。
「佐野くんに感謝するんだな」
蒼兄に言われてコクコクと頭を上下に振った。
そこではっとして佐野くんにメールを送る。
あのあとの経緯と、今湊先生や蒼兄たちも一緒に空港へ向かっていること。まだ、どんな言葉を使って伝えたらいいのか、具体的な言葉は決められていない。けれど、昨夜相馬先生にツカサが好きだからだめです、と言えたのだから、最悪の場合そのままを伝える、と。
相馬先生にも言えたのだから秋斗さんにも言える――というのは自己暗示的なおまじない。
色んなことを考える時間が欲しかったし、車の中で考えられるものと思っていた。けれど、私は抗いようのない眠気に襲われた。