光のもとでⅠ
「手、つながれなくても歩けるよ?」
「違う、俺がつなぎたいの。今だけ――今だけだから」
「……うん」
そのまま昇降口までふたり手をつないで歩いた。
何月にはどこへ行こうとか、唯兄も一緒に兄妹三人でお買い物へ行こうとか。そんな幸せな未来の話。
昇降口手前で蒼兄と別れた途端、周りにいた人たちに声をかけられた。
「姫、もう大丈夫なの?」
「今の誰?」
「もう身体いいの?」
あちこちから声をかけられてびっくりした。そんなことすら久しぶりで笑みが漏れる。
声をかけてくれた人のほとんどが中央委員会に出席していた面々で、紅葉祭を通して知り合った人たち。
私はもっとたくさんの人と知り合うことができるだろうか。
「違う、俺がつなぎたいの。今だけ――今だけだから」
「……うん」
そのまま昇降口までふたり手をつないで歩いた。
何月にはどこへ行こうとか、唯兄も一緒に兄妹三人でお買い物へ行こうとか。そんな幸せな未来の話。
昇降口手前で蒼兄と別れた途端、周りにいた人たちに声をかけられた。
「姫、もう大丈夫なの?」
「今の誰?」
「もう身体いいの?」
あちこちから声をかけられてびっくりした。そんなことすら久しぶりで笑みが漏れる。
声をかけてくれた人のほとんどが中央委員会に出席していた面々で、紅葉祭を通して知り合った人たち。
私はもっとたくさんの人と知り合うことができるだろうか。