光のもとでⅠ
73
翌朝、学校へ行くと桃華さんに尋ねられた。
「藤宮司には会えたの?」
「ううん、まだ……。でも、今日、帰りに会いに行ってくる」
「携帯であらかじめ連絡しておけばいいじゃん」
話が聞こえたらしく海斗くんが会話に加わった。
携帯に視線をやり、そうだね、と思う。普通ならそれでいいのだろう、と。でも……。
「使いたくないの……携帯」
空港に行ったあの日から、ツカサにもらった携帯ホルダーを使わせてもらっている。
制服の上に肩から斜めにかけていれば、コートの着脱時にもポケットからポケットへと移動させる必要もない。言われたとおり、ちゃんと毎日持ち歩いている。
でも、ツカサからのメールが届くことはないし、電話が鳴ることもない。
「藤宮司には会えたの?」
「ううん、まだ……。でも、今日、帰りに会いに行ってくる」
「携帯であらかじめ連絡しておけばいいじゃん」
話が聞こえたらしく海斗くんが会話に加わった。
携帯に視線をやり、そうだね、と思う。普通ならそれでいいのだろう、と。でも……。
「使いたくないの……携帯」
空港に行ったあの日から、ツカサにもらった携帯ホルダーを使わせてもらっている。
制服の上に肩から斜めにかけていれば、コートの着脱時にもポケットからポケットへと移動させる必要もない。言われたとおり、ちゃんと毎日持ち歩いている。
でも、ツカサからのメールが届くことはないし、電話が鳴ることもない。