光のもとでⅠ
「あの……もし知っていたら教えてほしいんです……」
「何なに?」
 嵐子先輩が耳に手をあて内緒話のポーズを取ってくれる。
「弓道部の部活って何時ごろに終わるか知っていますか?」
「優太知ってる?」
「うち、運動部はどこも夜七時までのはずだけど?」
「ありがとうございます」
「えっ、ちょっ……翠葉、まさか待つつもりっ!?」
「はい」
「「どこでっ!?」」
「……梅林館?」
 ふたりは揃って首をフルフルと振った。
「嵐子、ついてってあげな」
「そうする……」
「え?」
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