光のもとでⅠ
梅香苑も桜香苑も外灯が灯るのみで真っ暗だ。けれど、不安も恐怖も何もない。
会話なく歩いていても手がつながっている。それだけで私は無条件に安心してしまう。
不思議な感覚なのだけれど、この感情に名前をつけるとしたら「幸せ」だと思う。
「幸せ……」
口に出してみると、今までに感じたことのない歯がゆさがあった。
「何が?」
まさか訊かれるとは思っていなくて顔が熱くなる。でも、きっとこんな暗がりではわからない。
「隣にツカサがいることが……。手、つないで歩けることが。……幸せ」
「……安いな」
「え?」
「もっと貪欲になれば?」
言われて、私は「好き」と小さく口にした。
すると、キスが降ってきた。
会話なく歩いていても手がつながっている。それだけで私は無条件に安心してしまう。
不思議な感覚なのだけれど、この感情に名前をつけるとしたら「幸せ」だと思う。
「幸せ……」
口に出してみると、今までに感じたことのない歯がゆさがあった。
「何が?」
まさか訊かれるとは思っていなくて顔が熱くなる。でも、きっとこんな暗がりではわからない。
「隣にツカサがいることが……。手、つないで歩けることが。……幸せ」
「……安いな」
「え?」
「もっと貪欲になれば?」
言われて、私は「好き」と小さく口にした。
すると、キスが降ってきた。