光のもとでⅠ
 ツカサ……私、すごく欲張りよ?
 ずっとこのまま手をつないでいたいと思うくらい。
 好きと言って何度もキスをしてほしいと思うくらい。
 ……ずっとずっと覚えていてね。
 私はツカサの隣を歩けるだけで幸せなの。
 覚えていてね。

 好きな人の隣を歩けること、好きな人と手をつなげること。
 それがこんなにも幸せなことだとは思いもしなかった。
 学校を楽しいと思うのとは別の感情。
 数ヶ月先にお花が咲くのを楽しみにしているのとも違う。
 心がじんわりほんのり色づくようにあたたかい。
 胸はドキドキするけれど、不安を感じるものではない。
 何より、手から伝わるぬくもりが何もかもを上回る安心をくれる。
 隣を見上げれば好きな人の顔がある。
 ――幸せ。
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