光のもとでⅠ
Last Side Story
10~12 Side Akira 01話
部活が終わると心地よい風が吹いていた。
もっとも、今は十一月末。何をとってしても心地よい風というよりは冷たい風なわけだけど、身体を動かしたあとだからこそ心地よいと感じる。
部活の連中とやいのやいのと騒ぎながら部室棟へ向かう途中、二階テラスになびく髪を見つけた。
「御園生っ!?」
顔を確認する前に言葉を発した気がする。
一種独特といえる長い髪で人物特定可能。うちの学校には髪の長い女子なんか数え切れないほどいるけれど、御園生ほどに髪の長い女子はそうはいない。そして、あの頭の小ささと身体の華奢さ。コートを着ていても隠し切れない何か。
今日、御園生は性教育を受けていたはず。
「終わったの今?」
何が、とは言わずに問いかけると、御園生はコクリと頷いた。
意識はこちらを向いているのに、どこか飽和状態に見えなくもない。それは辺りが暗くなり、外灯が中途半端に顔を照らすからそう見えるのか……。
もっとも、今は十一月末。何をとってしても心地よい風というよりは冷たい風なわけだけど、身体を動かしたあとだからこそ心地よいと感じる。
部活の連中とやいのやいのと騒ぎながら部室棟へ向かう途中、二階テラスになびく髪を見つけた。
「御園生っ!?」
顔を確認する前に言葉を発した気がする。
一種独特といえる長い髪で人物特定可能。うちの学校には髪の長い女子なんか数え切れないほどいるけれど、御園生ほどに髪の長い女子はそうはいない。そして、あの頭の小ささと身体の華奢さ。コートを着ていても隠し切れない何か。
今日、御園生は性教育を受けていたはず。
「終わったの今?」
何が、とは言わずに問いかけると、御園生はコクリと頷いた。
意識はこちらを向いているのに、どこか飽和状態に見えなくもない。それは辺りが暗くなり、外灯が中途半端に顔を照らすからそう見えるのか……。