光のもとでⅠ
 最後、学校で話すようなノリで話せたけど、海斗に続いて玄関を出ようとしたら、御園生に「ごめんね」と謝られた。
 謝られるんじゃないかって予想はしていて、結局謝られて、俺何やってんのかなって思った。
 こんなとき、御園生さんならどうするだろう……。
 少し考えて、ちっこい頭をポンポンと叩いてみた。
 お互いが立ったままだと相手が御園生くらいの身長じゃないとできない仕草。
「追い詰めない追い詰めない。……人間、自分を追い詰めなくちゃいけないときもあるけど、たぶん今はそのときじゃないと思う。御園生、今はテストのことだけ考えたら?」
 御園生と目が合うと、また謝られる気がした。だから、何もできなかった自分を正当化するような言葉を繰り出した。
「謝るようなことも、謝られるようなことも、俺も御園生もしてない。だろ? 俺はそう思ってるから。だから、そんな顔しなくていいし。……じゃ、おやすみ! また学校でな」
 玄関を出たら情けなくて涙が出そうだった。
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