光のもとでⅠ
26~27 Side Akira 01話
終業式の日は朝練がない。それでも余裕をもって早くに来た俺は、教室に御園生の姿を見つけた。
なんてことのないシチュエーション。
御園生が誰より早くに登校してくることも、窓際の席から外を眺めていることも。なんら珍しいことじゃない。
ただ、ひとり言を聞いてしまった。妙に気になるひとり言を。
「終わる、のね……」
「何が?」
驚かすつもりはなかったんだけど、結果、ひどく驚かせてしまった。
「悪い、驚かせた?」
御園生は繰り返し頭を上下に振った。
「で、何が終わるって?」
「あ……二学期」
言われたことに納得する。頭をポリポリと掻きながら、
「確かに……今日で終わり、だなぁ。でも、それがどうかした? 成績の心配はする必要ないだろ?」
「あ、うん……成績は――自分がやれることはやったと思うから」
そうは答えるのに、御園生は浮かない顔をしていた。
なんてことのないシチュエーション。
御園生が誰より早くに登校してくることも、窓際の席から外を眺めていることも。なんら珍しいことじゃない。
ただ、ひとり言を聞いてしまった。妙に気になるひとり言を。
「終わる、のね……」
「何が?」
驚かすつもりはなかったんだけど、結果、ひどく驚かせてしまった。
「悪い、驚かせた?」
御園生は繰り返し頭を上下に振った。
「で、何が終わるって?」
「あ……二学期」
言われたことに納得する。頭をポリポリと掻きながら、
「確かに……今日で終わり、だなぁ。でも、それがどうかした? 成績の心配はする必要ないだろ?」
「あ、うん……成績は――自分がやれることはやったと思うから」
そうは答えるのに、御園生は浮かない顔をしていた。