光のもとでⅠ
涼先生と反対方向に向かって歩き、病室に入る。と、なんとも言えない顔をしたスイハがいた。
実に残念な表情だ。
「胃カメラくらい呑めばいいじゃねーか」
すると、キッ、と睨まれる。
「あれっ、つらいんですからっ。すっごくすっごくつらいんですからねっ!?」
「いや、俺だって呑んだことくらいあるさ。でも、呑んどいたほうがいいんじゃねぇか?」
「やです」
めずらしく拒絶一辺倒だった。
ま、これは俺の分野じゃねぇしな……。現実問題、予約さえ入れちまえばこいつは来ざるを得ないだろう。と、半ば他人事で自分の診察を始めた。
相変わらずストレスの脈がひどく、胃や腎臓、肝臓の脈もめちゃくちゃだ。夜は寝ているようだが、睡眠の質が良くないのか、脈診ではいいと言えるものがひとつもなかった。
実に残念な表情だ。
「胃カメラくらい呑めばいいじゃねーか」
すると、キッ、と睨まれる。
「あれっ、つらいんですからっ。すっごくすっごくつらいんですからねっ!?」
「いや、俺だって呑んだことくらいあるさ。でも、呑んどいたほうがいいんじゃねぇか?」
「やです」
めずらしく拒絶一辺倒だった。
ま、これは俺の分野じゃねぇしな……。現実問題、予約さえ入れちまえばこいつは来ざるを得ないだろう。と、半ば他人事で自分の診察を始めた。
相変わらずストレスの脈がひどく、胃や腎臓、肝臓の脈もめちゃくちゃだ。夜は寝ているようだが、睡眠の質が良くないのか、脈診ではいいと言えるものがひとつもなかった。