光のもとでⅠ
失くすと深刻を極めるくらい必死になって探すのに、普段は持っているという確信があればそれでいいのかもしれない。
鍵を見ると、傷がつくとかそういうことは気にしていないように思えた。
「それ、本当はペアキーって呼ばれるもので、対になる鍵があるんだ」
唯兄は何気なく口にする。
「俺が持ってるのがガーネットで、対の鍵にはターコイズがはまってる」
心臓がピョンと飛び跳ねる。
「でも、どこにあるんだか……。きっと、もうその鍵を一対にしてやることはできないんだろうな」
軽く、笑いを含ませた明るい声が胸に突き刺さる。
唯兄、私、それ知ってるの……。
その鍵、私が持っているの……。
「もし、今もう片方の鍵が俺の手元にあったらリィにその赤い石のほうをあげるのにね」
その言葉が胸に痛い。目に涙が滲む。
「……リィ?」
声を発せずにいると、
「もしかして、湊さんから何か聞いた?」
「あ……えと、すごく大切な鍵だって――」
涙が零れそうで、急いでハンカチに含ませた。
鍵を見ると、傷がつくとかそういうことは気にしていないように思えた。
「それ、本当はペアキーって呼ばれるもので、対になる鍵があるんだ」
唯兄は何気なく口にする。
「俺が持ってるのがガーネットで、対の鍵にはターコイズがはまってる」
心臓がピョンと飛び跳ねる。
「でも、どこにあるんだか……。きっと、もうその鍵を一対にしてやることはできないんだろうな」
軽く、笑いを含ませた明るい声が胸に突き刺さる。
唯兄、私、それ知ってるの……。
その鍵、私が持っているの……。
「もし、今もう片方の鍵が俺の手元にあったらリィにその赤い石のほうをあげるのにね」
その言葉が胸に痛い。目に涙が滲む。
「……リィ?」
声を発せずにいると、
「もしかして、湊さんから何か聞いた?」
「あ……えと、すごく大切な鍵だって――」
涙が零れそうで、急いでハンカチに含ませた。