光のもとでⅠ
 現時点では、綿素材のタートルに半袖のざっくりニットを着ているだけだから。
「リビングにダウンジャケットとストール、帽子が置いてある。あと手袋もね」
 ダウンは素肌に近い状態で着たほうがあったかい。だから、中に着込むのは必要最低限。
 追加情報をもってしても、リィは心配そうな顔を改めない。だから、ちょっと恵んでもらうことにした。
「リィ、できれば俺にもカイロを恵んでください」
 差し出されたのは貼るタイプの大きなカイロ。
「ポケットに入れる用の貼らないカイロはないの?」
 リィは、「あ」って顔をして、すぐさまクローゼットからがさごそと取り出した。けれど、その数ふたつ。
「ブッブー。二個じゃ足んない。四つが正解です」
「え?」
「リィのポケットにも入れるから」
 取り出したカイロ四つを袋から出し、リィのポッケにもスタンバイ完了。
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