光のもとでⅠ
「怒られちゃったね」
 俺が言うと、
「怒られたのに……嬉しいの?」
 リィに不思議がられた。
 そっか……俺、嬉しそうな顔してるんだ? 自覚してちょっと考える。
「俺、実の両親にも学校のセンセたちにもあんま怒られたことないからね。ほら、手のかからない優等生だったから」
 そんな真面目くさった顔で話したわけじゃないのにリィは申し訳なさそうに黙りこくってしまう。反対にあんちゃんはザックリと切り込んでくださった。
「頭はいいんだろうけど、俺から見たらそんないい子には見えないけどな? だってハッカーやってて秋斗先輩に捕まったんだろ? 今じゃそんな悪さはしてないだろうけど、それでもいたずらっ子にしか見えないって」
「あんちゃん、言ってくれるねぃ。でも、そのとおりかな? ハッカーよりも性質の悪いクラッカーだった。親やセンセたちが思ってるようなイイコじゃなかったよ」
 相変わらず三人並んでの会話。
< 9,450 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop