光のもとでⅠ
今日は夕方、病院へ翠葉を迎えに行くことになっている。
「さて……話してくれるかな? くれないかな?」
最近は悩みごとがあっても全部を打ち明けてくれることはなくなった。
「兄離れ、妹離れ……か」
わかっていつつも、その距離の取り方が未だにわからずにいた。
雨が降り出しそうな天気の中、病院の駐車場で翠葉からの連絡を待っていた。
すると、思いも寄らない人から着信がある。
今、翠葉を診ているはずの相馬先生。少しの緊張を伴いながら出ると、
『おう、シスコン』
いきなりの言葉に緊張が吹っ飛んだ。
「やめてくださいよ、その呼び方」
『シスコンはシスコンだろ?』
これは、現状翠葉がひどく体調が悪いとかその手のことではなさそうだ。けれど、用もなく電話してくる人でも、そんな間柄でもない。いったい――。
「さて……話してくれるかな? くれないかな?」
最近は悩みごとがあっても全部を打ち明けてくれることはなくなった。
「兄離れ、妹離れ……か」
わかっていつつも、その距離の取り方が未だにわからずにいた。
雨が降り出しそうな天気の中、病院の駐車場で翠葉からの連絡を待っていた。
すると、思いも寄らない人から着信がある。
今、翠葉を診ているはずの相馬先生。少しの緊張を伴いながら出ると、
『おう、シスコン』
いきなりの言葉に緊張が吹っ飛んだ。
「やめてくださいよ、その呼び方」
『シスコンはシスコンだろ?』
これは、現状翠葉がひどく体調が悪いとかその手のことではなさそうだ。けれど、用もなく電話してくる人でも、そんな間柄でもない。いったい――。