光のもとでⅠ
「ま、それにしても面白いように話が進むよね。なんだってリィがこんな状況のときに、クラスサイドでもそんなことになってるんだか……」
「本当に……。だから、あまりにも翠葉が引き摺るようなら声はかけるつもり。まずは様子見。時間は必要だろうから……」
 すでにキャパシティオーバーだ。これ以上のことはもう何も降ってこないでくれと願うのみ。
「あんちゃん……リィとの距離、測りかねてたりする?」
 唯の突然の質問に、ぐっと言葉に詰まる。
「……そうだな、翠葉ほど大々的に悩んでるわけじゃないけど、どのくらいの距離が望ましいのか、考えてはいる」
「そっか……」
 幸倉に帰ってきて、もとの距離に戻れるんじゃないかなんて望んだ自分はどうかしているのだろうか。でも、正直、悩みを抱えたまま誰にも話せないでいる翠葉を放置していていいのかは不明だ。相馬先生には連れ出してやれって言われたけれど……。帰りの車の中ではやりたいことがたくさんあるようなことを言っていたし……。それに――。
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