光のもとでⅠ
 すぐにドアが開き、
「マフラーとイヤーマフがついたら完璧」
 実に面白くなさそうな面持ちで唯が立っていた。
「俺だけ除け者とかやめてよね。……寂しいじゃん」
 外に出たらすぐ携帯鳴らして起こすつもりだった。……とは口にできず、とりあえずそのつもりはなかった旨を伝える。
「別に除け者にしたつもりはないよ。ただ俺が起きてきたら翠葉が起きてたからさ。その流れで話しててこうなってるだけ」
 唯は、「ふぅん……」と納得しているのかしていないのか怪しい返事をしつつ、
「じゃ、俺も着替えてくるから」
 と一緒に部屋を出た。
「唯、真面目に……。家を出たら唯を起こして翠葉と一緒に来てもらうつもりだったから」
「……一応信じとく」
 やっぱりどこか拗ねたふうで、唯は二階へと上がっていった。
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