光のもとでⅠ
 ゲストルームに戻ると、兄さんは窓際で本を読んでおり、秋兄はパソコンを見ていた。海斗は携帯をいじりながら、無駄に長い足を投げ出しソファに座っている。
 イライラしていたのかもしれない。気づけばその足を蹴飛ばしていた。
「痛っ。何すんだよっ」
「あぁ、悪い。邪魔だった」
「一言どいてって言ってくれればいいじゃん」
「あぁ、悪い。面倒だった」
「司……お前悪いって言いながら全然悪いって思ってないだろ」
「あぁ、悪い。そのとおりだ」
 窓際のふたりがクスクスと笑っている。
「同じ顔ふたつが笑ってると気色悪いんだけど」
「ちょっと……お宅の弟刺々しすぎやしませんか?」
「申し訳ないくらいにあれがデフォルトなんだけど……」
「「いつもより数割り増し?」」
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