光のもとでⅠ
「……あれ? どうして唯兄がいるの?」
 リィは身体を起こすとサイドテーブルのランプを目がけて手を伸ばす。
「ちょっとたんま」
「唯兄?」
「リィ、ごめん」
「え?」
「俺、リィに謝らなくちゃいけないことがある」
「な、に……?」
 暗がりで言うのはちょっとずるいかもしれない。でも、明るいところで懺悔する度胸はないわけで……。
「俺……途中から知ってた。会長が朗元であることも、リィと面識あることも」
 本当にごめんなさい……。
 リィは、大仰にため息をついた。
「もう、やだ……。唯兄、驚かせないで? 今日はいったいどれだけ驚かなくちゃいけない日なのかハラハラしちゃった」
 一度起こした身を再度横たえて、脱力。それでも、視線は俺を捕らえていた。
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