光のもとでⅠ
 俺と秋兄がいなければ翠はお茶会を楽しむことができるだろう。けど、それでは姉さんたちの趣旨に反する――だとしたら、動けるのは俺だけだ。
 そこでふと思い出す。昨夜秋兄に言われた、「選ばせるためのシチュエーション」という言葉を。
 ……あぁ、そうか。翠自身に状況を整えさせればいいのか。
 思いながら、秋兄に視線を送る。
「何?」
「……秋兄は秋兄にできる方法で引き止めるよね」
「……何を望まれてるのかわかりにくいんだけど」
「いや、いつも通りの秋兄でいてくれれば問題ない」
「それはつまり、お姫様を華麗にエスコートってこと?」
「そんなところ」
「それで司はどうするつもり?」
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