光のもとでⅠ
「俺は自分にできることしかしない」
「……了解」
 すべてを話さなくても伝わるだろう。
 俺がどう動くかなんて、数えられるほどにしかないのだから。

 人がいるにも関わらず、中庭は静かだった。姉さんと静さんは無言で飲み物を口にし、昇さんと栞さんは夜空を見上げている。
 そこへ、唯さんの笑い声が聞こえてきた。 
「なんかさ、大変残念なお知らせっていうか、お告げをされちゃった感じ?」
 わざとらしくコホンと咳払いをすると、
「粘着質なストーカーにお困りの際には藤宮警備にご依頼ください」
 寝耳に水のような話。そして、唯さんの半歩後ろを歩く翠を見て舌打ちしたくなる。
 なんで外に来るのに手袋もマフラーもしてないんだ。
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