光のもとでⅠ
 三つ並ぶソファーの中央、空いているソファーに案内された翠は、今にも腰を浮かせそうなほどに浅く腰掛ける。
「唯くんは翠葉の隣に座っててね? そこ、埋まってないと司か秋兄が移動しかねないから」
「りょうかーい!」
 唯さんは腰掛ける際に、翠に膝掛けをかけた。そして止めをさすように、ウェイターが飲み物を持って近づく。カップを受け取ればそうそう退席もできなくなるというもの……。
 まるで、薄っぺらい紙にどんどんペーパーウェイトが追加されていくような感じ。
 翠はカップをじっくりと見て、
「カモミール……ミルク?」
 不思議そうに顔を傾げる。
「はい。翠葉お嬢様にはカモミールミルクを、唯芹様にはコーヒーをご用意させていただきました」
「……ありがとうございます」
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