光のもとでⅠ
 何か様子がおかしい。声もひどく疲れているように思えるし、二言三言交わしただけだけれども、いつもの余裕が感じられない。
 そして、次に発した言葉に驚いた。
『今、病院で……』
「……え?」
『あ、悪い……』
 病院と言われて思い浮かぶのは翠葉のことくらい。
「翠葉に何かありました?」
『……さっき、手術が終わったんだ』
 手術って、何?
 少なくとも、終業式の日にはそこまで体調が悪いようには見えなかった。また風邪でもこじらせたんだろうか――否、風邪で手術はないだろう。
 脳裏を掠めるのは胃と心臓――。
「蒼樹さん、病院にいるんですね? 私、今すぐ行きますから」
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