光のもとでⅠ
「麻酔から覚めるまで、私、一緒にいます」
「でも、桃華予定……」
「大丈夫です。今、蒼樹さんの側に私がついていなかったら誰がついているんですか?」
「でも……」
「つべこべ言わないっ。年下だからって侮らないでください。私、蒼樹さんひとりくらいは支えられるつもりでいるのでっ」
 ピシャリと言い放ち、腕を緩めて彼の額にキスをした。
 そしたら、「ありがとう」と背に手を回して抱きしめられた。

 しばらくして、ふたり横に並んで座ると、蒼樹さんはひとつひとつ、最近あったことを話してくれた。
 藤宮司が祖父である会長に試されていたこと、そして、それに翠葉が関わっていたこと。
「だから、翠葉……話してくれなかったのね。自分だけのことじゃないから」
 藤宮司が関わっているから。藤宮が関わっているから……。
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