光のもとでⅠ
「ちょっと、情報提供者に何も言わないつもり?」
「じゃぁヒント。いい加減、第一ラウンドは終わりにさせる」
「……なるほど」
「方法は訊かないの?」
「秋斗だもの。あまり褒めたやり方はしないんでしょ?」
「ひどい言われよう。でも……そうかもね。俺らしいやり方だとは思うけど、俺だけじゃ答えは出せないから」
「答えを出す人間は翠葉だものね」
「そう。一筋縄じゃいかないお姫様に苦戦してます」
 そんなやり取りをしながらお昼を食べた。

 君はきっと困るよね。司と俺が並べば並ぶほどに困るよね。
 でも、困ってるだけじゃなくて一歩踏み出してほしい。
 そのためならどんなことでもするよ。
 君が楽になれるなら、欲しいものに手を伸ばすためなら、どんなことだってする。
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