光のもとでⅠ
 最後のセキュリティをパスすると詰め所にいた人間が頭を下げた。
「お疲れ様」
 一言だけかけて通り過ぎる。
 ナースセンターには相馬さんがいるだけ。なんかプリントを見ながらブツブツと呟いている。
 それを横目に見て通り過ぎ、じーさんの部屋をノックするも返事なし。
 寝てるのかと思い、そっとドアを開けたらベッドはもぬけの空だった。
「……まさか、翠葉ちゃんのとこにいたりするのかな」
「いないんだからそうなんじゃない?」
 ふたり揃って手前の病室へ移動。
 ノックをしたけどすぐに返事はなかった。しばらくして、
「誰ぞ」
 じーさんの声がした。
 やっぱりだ……。
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