光のもとでⅠ
「秋斗です」
 答えたものの、中で何か会話をしている。
 話をしているのは聞こえるが、何を喋っているのかまでは聞こえない。
 しばらくすると、
「入って良いぞ」
 またしてもじーさんの声だった。
 ドアを開け、開口一番に文句を言う。
「じーさん……迎えに来いって呼んでおきながら、来たらいないとかやめてよ」
「じゃが、わしが呼んだことで早々にお嬢さんに会えたじゃろ?」
「それはそうだけど……」
 彼女はベッドの上で身体を起こし、布団をきつく握りしめていた。
 それはつまり緊張してるってことかな。
 俺と司が揃っているからだろうか。
 補習の件は今日はまだ言わないでおこう。いつ言おうが彼女を困らせることに変わりはないけど、今でなくてもいいはずだ。
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