光のもとでⅠ
それだけを言うと、また仕事を始めてしまう。
秋兄が会社を立ち上げたことは知っていたけど、進捗状況までは知らされていない。
忙しいのは間違いないとしても、秋兄が翠を疎かにするとは考えがたいわけで……。
翠には知らせるなということにも引っかかりを覚えた。
何を企んでる……?
その一端を知るのは翠の病室でだった。
俺が行くと、翠は必ずお茶の用意から始める。
翠が簡易キッチンに立っているとき、不自然に置かれた携帯を見てしまった。
そこには秋兄が翠専用に用意した番号が表示されていたわけだけど、ずらりと並ぶ番号に違和感を覚える。連日かけているにもかかわらず秋兄がここへ来た形跡はない。それが意味するのは──。
秋兄の携帯につながらない?
なんで――。
秋兄が会社を立ち上げたことは知っていたけど、進捗状況までは知らされていない。
忙しいのは間違いないとしても、秋兄が翠を疎かにするとは考えがたいわけで……。
翠には知らせるなということにも引っかかりを覚えた。
何を企んでる……?
その一端を知るのは翠の病室でだった。
俺が行くと、翠は必ずお茶の用意から始める。
翠が簡易キッチンに立っているとき、不自然に置かれた携帯を見てしまった。
そこには秋兄が翠専用に用意した番号が表示されていたわけだけど、ずらりと並ぶ番号に違和感を覚える。連日かけているにもかかわらず秋兄がここへ来た形跡はない。それが意味するのは──。
秋兄の携帯につながらない?
なんで――。