光のもとでⅠ
秋兄……俺はやっぱり秋兄と同じ土俵にいたい。結果、翠を追い詰めることになるとしても。
「仕事が忙しくて出られないわけじゃない。メールアドレスを変えて、変更の連絡を忘れているわけでもない。翠のためだけに用意されていたあの携帯――解約されたから」
翠の瞳孔が開く瞬間を見た。
「解約。つまり、もうあの携帯にはつながらない。メールが届かないのは――」
「やめて……」
掠れた声で制止されたけど、
「翠が招いたことだ……。連絡がつかないとわかった時点でなぜ人に訊かなかった? 訊いたら教えてくれる人間はいたはずだ」
一週間、七日間の猶予期間があったんだ。俺はその期間に秋兄が何をしようとしているのか考えて過ごした。
翠は――翠は何も考えなかったのか? 何ひとつ、危機感を感じなかったのか?
「仕事が忙しくて出られないわけじゃない。メールアドレスを変えて、変更の連絡を忘れているわけでもない。翠のためだけに用意されていたあの携帯――解約されたから」
翠の瞳孔が開く瞬間を見た。
「解約。つまり、もうあの携帯にはつながらない。メールが届かないのは――」
「やめて……」
掠れた声で制止されたけど、
「翠が招いたことだ……。連絡がつかないとわかった時点でなぜ人に訊かなかった? 訊いたら教えてくれる人間はいたはずだ」
一週間、七日間の猶予期間があったんだ。俺はその期間に秋兄が何をしようとしているのか考えて過ごした。
翠は――翠は何も考えなかったのか? 何ひとつ、危機感を感じなかったのか?