光のもとでⅠ

65~66 Side Akira 01話

「うおーーー……終わった。怒涛の如く宿題の山終わった。俺がんばった……」
 達成感をひしひし感じ、パタリ、と机に突っ伏す。と、ピロリロリ、と携帯が鳴った。
 ディスプレイに表示されている名前を見て携帯を取り落とす。携帯は、ガツ、と音を立ててデスクに不時着した。
 だって、めったにかかってくることのない御園生からだったから。しかも、現在入院しているはずの御園生から。
 御園生と話すのは実に終業式の日以来なわけで、少しの緊張を伴って通話ボタンを押した。
「みそ、のう?」
 訊くと、切羽詰まった声が返ってきた。
『佐野くん、今、話す時間あるかな』
「大丈夫だけど……どうかした?」
『話、聞いてほしくて……。相談っていうか、話、聞いてほしくて』
 まるで、ドアを開けたら泣いて縋られました、みたいな……そんな感じ。
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