光のもとでⅠ
「ははっ! リィと司くんの会話ってなんだか面白いね?」
 会話に入ってきたのは唯兄だった。
「栞さん、そこじゃなんだからあっちに行こう」
 唯兄は栞さんを支えてリビングのソファへと向かった。
「サラダ、トマトサラダでもいいです?」
「なんでもいいけど極力短時間でできるもの」
 と、睨まれる。
「十分以内で作ります……」
「七分死守」
「……努力します」
 キッチンで同じ作業台に向かいながら黙々と作業をしつつ、こんな会話。
 そこへ唯兄が戻ってきて、
「俺が煮込みうどんを担当するよ」
 と、口にした。
「……唯兄、お料理できるの?」
「……リィ、俺、これでも家事全般はオールマイティよ?」
「じゃ、若槻さんお願いします。調味料一式はそこの引き出しで、にぼしと鰹節は上の戸棚」
 と、司先輩は調味料の場所を教えた。
「それにしてもさ、この状況で起きない海斗っちは大物になるよね」
 話をしつつ手を動かす唯兄の言葉に、
「あれは単に神経が図太くできてるだけですから」
 と、司先輩は淡々と答えた。
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