光のもとでⅠ
「え?」と訊き返すと、
『秋斗さんの乗る飛行機。ツカサが言ったの……。空港に行ったら会えるかも……』
そこへ行くと言い出しそうなくらい思いつめた表情だった。
「御園生、空港まではかなりの道のりだよ。電車三回乗り換えるか、二回乗り換えでリムジンバス。そもそも、まだ入院中だろ?」
『でもっ……』
「周りに心配かける行動はしちゃだめだ。それに、無理して入院が延びたらどうするんだよ。それこそ今までのがんばりが水の泡になる。だから、それだけは賛成できない」
『でもっ、明後日には退院が決まっているもの』
「……それでもだめ。御園生さ、おまえわかってないよ。全然わかってない。御園生が入院して手術したって聞いたとき、俺や簾条がどれだけ心配したか。どれだけ生きた心地しなかったか――。クラスメイトには入院してるとしか話してないけど、それでもあいつら……すっごい心配してる。蒼樹さんたち家族は俺らなんかの比にならないほど心配したはずだ。そんな人たちにこのうえどんな心配をかけるつもり? もっと周りをよく見ろよ」
『秋斗さんの乗る飛行機。ツカサが言ったの……。空港に行ったら会えるかも……』
そこへ行くと言い出しそうなくらい思いつめた表情だった。
「御園生、空港まではかなりの道のりだよ。電車三回乗り換えるか、二回乗り換えでリムジンバス。そもそも、まだ入院中だろ?」
『でもっ……』
「周りに心配かける行動はしちゃだめだ。それに、無理して入院が延びたらどうするんだよ。それこそ今までのがんばりが水の泡になる。だから、それだけは賛成できない」
『でもっ、明後日には退院が決まっているもの』
「……それでもだめ。御園生さ、おまえわかってないよ。全然わかってない。御園生が入院して手術したって聞いたとき、俺や簾条がどれだけ心配したか。どれだけ生きた心地しなかったか――。クラスメイトには入院してるとしか話してないけど、それでもあいつら……すっごい心配してる。蒼樹さんたち家族は俺らなんかの比にならないほど心配したはずだ。そんな人たちにこのうえどんな心配をかけるつもり? もっと周りをよく見ろよ」