光のもとでⅠ
「普通に考えてみ? 御園生が今知りたいことは秋斗先生がどこにいるか、どうやったら秋斗先生に会えるか、でしょ? それって唯さんならわかりそうなものだし、仮に空港に行かなきゃ会えないなら移動手段が必要になる。明後日退院できるとはいえ、やっぱり空港までの道のりは、今の御園生にはきついと思う」
 間違いなくいっぱいいっぱいで周りが見えてない。頭回ってないんだと思う。
 でも、こういう部分なら俺が補える気がした。
「御園生はどうしなくちゃいけないかの答えは出したんだ。あとはそれを実行するだけ。そのための助力をしてもらっても、根底で人を頼ったことにはならないと思う。俺に電話してきた時点で秋斗先生に連絡を取りたいっていう気持ちは固まってたじゃん。何もかもを人に丸投げしてるわけじゃない。俺はそう思うよ」
 少しの沈黙のあと、御園生は真っ直ぐにこっちを見た。
『蒼兄と唯兄に相談してみる……』
「うん、健闘を祈る」
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