光のもとでⅠ
『私が急にここからいなくなったら先生や警護の人たちに心配と迷惑をかけることになる。だから、ここから出るならきちんと話をしていかなくちゃいけない。何も言わずに出たりしない。手順は踏むよ。外出許可を申請する。でも、それには保護者の承諾も必要になる』
 翠葉の言葉に衝撃を受けた。
 翠葉ですら、周りのことをきちんと考えて連絡を入れてきていた。
 これは……助力側に立つべきか――。
「色々考えてから電話してきたわけか。……ということは、翠葉が俺たちに求めるものは、最終的な保護者である両親の説得ってところかな?」
 何度も見てきた上目遣いで、
『そう……だめ、かな?』
 だめと言えない。
 父さん、母さん、俺、ちょっと無理……。仕事放棄チックで申し訳ないけど、覚悟決めてる人間に立ち向かえるほどの何かを持ちあわせてない感じで――。
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