光のもとでⅠ
28
少しすると、司先輩だけが戻ってきた。
「姉さんが戻るまで御園生さんがついてるって」
「……すごく悪いの?」
「いや……。今、梅雨だろ? 普段元気な人でも体調崩しやすい季節」
そう言うと、「代わる」と私の手から木ベラを取り上げた。
「リィは海斗っち起こしてよ」
「はい」
ソファまで行くと、ついつい座り込んでまじまじと見てしまう。
いつも元気で格好いい海斗くんとは違い、寝顔はかわいい。
「メガネそっち行ったっっっ!」
突然の大声にびっくりして思わず飛び退く。
……な、何?
心臓がバクバクいっていて、胸もとを両手で押さえてしまう。
気づくと、すぐそこに司先輩が立っていて、
「いい加減起きろ」
と、海斗くんの足に蹴りを入れた。
「……って~、司蹴んなよ」
海斗くんは億劫そうに起き上がった。
司先輩は人を蹴るのが上手だと思う。今朝のサザナミくんの背中にもきれいな足跡がくっきりと残っていたし……。
「姉さんが戻るまで御園生さんがついてるって」
「……すごく悪いの?」
「いや……。今、梅雨だろ? 普段元気な人でも体調崩しやすい季節」
そう言うと、「代わる」と私の手から木ベラを取り上げた。
「リィは海斗っち起こしてよ」
「はい」
ソファまで行くと、ついつい座り込んでまじまじと見てしまう。
いつも元気で格好いい海斗くんとは違い、寝顔はかわいい。
「メガネそっち行ったっっっ!」
突然の大声にびっくりして思わず飛び退く。
……な、何?
心臓がバクバクいっていて、胸もとを両手で押さえてしまう。
気づくと、すぐそこに司先輩が立っていて、
「いい加減起きろ」
と、海斗くんの足に蹴りを入れた。
「……って~、司蹴んなよ」
海斗くんは億劫そうに起き上がった。
司先輩は人を蹴るのが上手だと思う。今朝のサザナミくんの背中にもきれいな足跡がくっきりと残っていたし……。