光のもとでⅠ
悪態をつき、手に持っていたボールペンをデスクに放った。
何もなくてこの不整脈じゃ心配にもなるってもんだが、何があったかを知る身としては、今様子を見に行ってどうしたものか、とも思う。
姫さんが来るなら紫先生が動く必要はない。その通達を済ませると、スイハがナースセンターにやってきた。
おまえはナースコールってものの存在を忘れちゃいねぇか?
「もう消灯の時間だろが。何やってんだ?」
「先生、明日……外出したいです」
「あ゛?」
「……秋斗さんに会いに、空港まで行きたいんです」
「あぁ……明日だったか」
何もかも知っていて、知らぬ存ぜぬを通すのは良心が痛むものらしい。ふと、自分に良心なんてものがあるのかとおかしくなる。
何もなくてこの不整脈じゃ心配にもなるってもんだが、何があったかを知る身としては、今様子を見に行ってどうしたものか、とも思う。
姫さんが来るなら紫先生が動く必要はない。その通達を済ませると、スイハがナースセンターにやってきた。
おまえはナースコールってものの存在を忘れちゃいねぇか?
「もう消灯の時間だろが。何やってんだ?」
「先生、明日……外出したいです」
「あ゛?」
「……秋斗さんに会いに、空港まで行きたいんです」
「あぁ……明日だったか」
何もかも知っていて、知らぬ存ぜぬを通すのは良心が痛むものらしい。ふと、自分に良心なんてものがあるのかとおかしくなる。