光のもとでⅠ
「おまえさ、俺の嫁になんね?」
 ちょっとしたセクハラか、と脳裏を掠めたが、思ったことはそのまま口から出ていく。
 スイハは、「は?」と目をきょとんとさせている。
「いや、言葉のまんまなんだが……。お子様は好きじゃないが、スイハみたいなのだったらいいかと思う。見てて楽しめるし前に進もうとしている姿を見てるのは悪くねぇ。おまえ、いい女になるよ」
 これも本音。
 ガキは嫌いだ。だが、スイハは許容できる。
 まだガキで手のかかるお子様だが、それでも前を向いている。必死にあがいて先に進もうとしている。
 そういうの、この年になるとなかなかねぇんだよ。
 だから新鮮に感じるのか、微笑ましく思えるのかは謎。
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