光のもとでⅠ
「……ここにも手抜かりない用意周到な人間がいたのね……。本っ当にかわいくないっ」
バッ、と立ち上がると、容赦なく両頬をこれでもかというほどに引張られた。
頬を解放されると、
「今さら俺にかわいげとか求められても困るんだけど。それに、先々のことを考えて動けって散々俺に叩き込んだのは姉さんだろ」
「そうだけどっ……それなら私にも教えておきなさいって話しでしょ!? 私は翠葉のメインドクターなのよっ!?」
「……あぁ、手回しに時間がかかってて言うタイミング逃した。なんせ、一昨日から動き出して、昨日は紫さんたちのチームスタッフに頭下げて回ってたし……。夜には翠をけしかけて、その足で秋兄捕まえなくちゃいけなかったから。ただし、翠が単独行動をとるつもりなら、すぐ姉さんに連絡するつもりだった」
姉さんは誰もいない壁のほうを向かって拗ねる。
バッ、と立ち上がると、容赦なく両頬をこれでもかというほどに引張られた。
頬を解放されると、
「今さら俺にかわいげとか求められても困るんだけど。それに、先々のことを考えて動けって散々俺に叩き込んだのは姉さんだろ」
「そうだけどっ……それなら私にも教えておきなさいって話しでしょ!? 私は翠葉のメインドクターなのよっ!?」
「……あぁ、手回しに時間がかかってて言うタイミング逃した。なんせ、一昨日から動き出して、昨日は紫さんたちのチームスタッフに頭下げて回ってたし……。夜には翠をけしかけて、その足で秋兄捕まえなくちゃいけなかったから。ただし、翠が単独行動をとるつもりなら、すぐ姉さんに連絡するつもりだった」
姉さんは誰もいない壁のほうを向かって拗ねる。