光のもとでⅠ
「……私、ばかみたいじゃないっ――もういいわ」
「……心配かけたことは悪いと思ってる。でも、今回はこれ以外の方法が思いつかなかったから……。次はもう少しうまくやる」
 言うと、呆れた顔で、
「そういう問題じゃないし、こんなことそう何度も起こされたらこっちの身がもたないから本当にやめて」
「それは俺じゃなくて秋兄に言って」
 こんな会話をしていると、急にアラートが鳴り始めた。
「翠葉っ!?」
 バイタルを見た途端に姉さんが部屋を飛び出した。
 俺たちも続いてあとを追う。と、秋兄に抱えられた翠がいた。顔面蒼白で意識を失っている。
 すぐに姉さんが診察を始め、脈が跳んだことによる失神と推測されたものの、それまでの不整脈の件もあいまって病院に搬送することが決まった。
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