光のもとでⅠ
71 Side Soju 01話
一月末日、予定通り翠葉は退院した。そして、その翌日から登校するという。
家での生活に慣れるまで二、三日休んだらどうかと話したけれど、翠葉は頑なにそれを拒んだ。
結果、家族はハラハラしながら、無理はしないようにと押せるだけの念を押した。
せめて車で送らせてほしい、というのが俺のお願いだったわけだけど、それも却下されてしまった。
「本当に大丈夫なのか?」
マンションから出たところは下り坂だが、学園私道に入れば緩やかながらも上り坂に転じる。
「大丈夫だよ。時間も余裕を持って出てきているし」
そうは言うものの、翠葉の吐き出す息はしだいに増えていく。
そう何度も言うものじゃない、とわかっていつつも口をつく言葉は――。
「大丈夫か?」
学園私道に入ってしばらくすると肩で息をし始めた。
これで大丈夫って言われたらかなり落ち込む。
「ちょっと、きつい、かな……」
その言葉に心底ほっとした。
「やっぱり、明日からはしばらく車で――」
家での生活に慣れるまで二、三日休んだらどうかと話したけれど、翠葉は頑なにそれを拒んだ。
結果、家族はハラハラしながら、無理はしないようにと押せるだけの念を押した。
せめて車で送らせてほしい、というのが俺のお願いだったわけだけど、それも却下されてしまった。
「本当に大丈夫なのか?」
マンションから出たところは下り坂だが、学園私道に入れば緩やかながらも上り坂に転じる。
「大丈夫だよ。時間も余裕を持って出てきているし」
そうは言うものの、翠葉の吐き出す息はしだいに増えていく。
そう何度も言うものじゃない、とわかっていつつも口をつく言葉は――。
「大丈夫か?」
学園私道に入ってしばらくすると肩で息をし始めた。
これで大丈夫って言われたらかなり落ち込む。
「ちょっと、きつい、かな……」
その言葉に心底ほっとした。
「やっぱり、明日からはしばらく車で――」