光のもとでⅠ
俺も一緒になって「感慨深い」と言えたらいいのに……。俺の中には寂しさが広がる。
「蒼兄、あのね……去年までは一週間先、一ヶ月先のことが不安で仕方なかった。二年生になれるのかもわからなくて、卒業なんて考えることもできなかったの。でも、今は違う。来月には梅香苑の梅が咲くことを想像するし、梅の香りが漂う苑をお散歩したいと思う。三月終りには桜が咲くから、桜香苑の桜を写真に撮りたいと思う。四月になって新学期が始まったら、新しい友達ができるのかなって……。未来がとても楽しみになった。こんなこと、初めてなの」
こんな言葉を翠葉から聞ける日がくるとは思ってもみなかった。いや、本当は少し前から予感はしていて、でも、それがどのタイミングで来るかは考えないようにしていた。
「蒼兄、あのね……去年までは一週間先、一ヶ月先のことが不安で仕方なかった。二年生になれるのかもわからなくて、卒業なんて考えることもできなかったの。でも、今は違う。来月には梅香苑の梅が咲くことを想像するし、梅の香りが漂う苑をお散歩したいと思う。三月終りには桜が咲くから、桜香苑の桜を写真に撮りたいと思う。四月になって新学期が始まったら、新しい友達ができるのかなって……。未来がとても楽しみになった。こんなこと、初めてなの」
こんな言葉を翠葉から聞ける日がくるとは思ってもみなかった。いや、本当は少し前から予感はしていて、でも、それがどのタイミングで来るかは考えないようにしていた。