光のもとでⅠ
「目、瞑ってくれると助かるんだけど……」
 翠ははっとしたかのように目をぎゅっと瞑った。
「そんなに力入れなくてもいいけど……」
 言うと少し表情が緩む。そして、冷たい唇に再度口づけた。
 唇が離れると、それまで以上に翠が抱きついてくる。
「好き……大好き……」
 応える言葉が見つからなくて、俺は抱きしめることで返事をした。
「寒くないか……?」
「ツカサがあたたかいから……寒くない」
 目が合うと、どうしてもキスを乞われている気分になる。
 自分がしたいからしているのか、乞われているからしているのかよくわからない。
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