光のもとでⅠ
 言葉に変換できないほど好きで、大切で、失いたくなくて――つながっていたい。
 触れていれば気持ちが伝わるんじゃないかとか思うほどに……。

 ふと時間が気になり時計を見ると八時前だった。
「翠……もう八時。さすがにこれ以上は身体に良くない」
 翠は寂しそうな顔で腕の力を緩めた。
 その様を見るだけで幸せを感じられる。
「マンションまで送っていくから、その前に家に連絡」
「はい」
 家に連絡すると、出たのは唯さんだったらしく、
『迎えに行こうか?』
 という声が聞こえてきた。
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