光のもとでⅠ
「ついでに言うならマグカップは去年プレゼントしたんだ。耐熱ガラスでできたティースプーンもセットで」
「で、今年は箸と……」
「そっ! どうせなら翠葉(すいは)の好きなものがいいなぁ……と思ってさ」
こいつの開いているパンフレットには箸以外のものは載っていない。しかも素材が紫檀とか栗の木とか書いてあるんだけど――俺の目がおかしいのか!?
それとも、七歳年下の妹はこういうのが趣味なのか!? 「マイ箸」がブームなのか!?
「これかなぁ……ってものは目星つけたからあとは実際店に行ってみるかな。なんか名前も入れてもらえるみたいだし」
そこでひとつ思い出したことがある。
「なぁ、お前、自分の誕生日どうすんの?」
こいつの誕生日を知りたがった女は数知れず。訊かれると、蒼樹は嫌そうにするでもなんでもなく、「五月三十日」と答えていた。
つまりは二週間後なわけだけど……。
「で、今年は箸と……」
「そっ! どうせなら翠葉(すいは)の好きなものがいいなぁ……と思ってさ」
こいつの開いているパンフレットには箸以外のものは載っていない。しかも素材が紫檀とか栗の木とか書いてあるんだけど――俺の目がおかしいのか!?
それとも、七歳年下の妹はこういうのが趣味なのか!? 「マイ箸」がブームなのか!?
「これかなぁ……ってものは目星つけたからあとは実際店に行ってみるかな。なんか名前も入れてもらえるみたいだし」
そこでひとつ思い出したことがある。
「なぁ、お前、自分の誕生日どうすんの?」
こいつの誕生日を知りたがった女は数知れず。訊かれると、蒼樹は嫌そうにするでもなんでもなく、「五月三十日」と答えていた。
つまりは二週間後なわけだけど……。