光のもとでⅠ
「蒼樹、絶対秋斗先輩にいいように使われるよな。ま、環もだけどさ」
「っていうか、葵も逃がさないけどな。クラス委員様、きっちり働いてもらいますよ?」
「別にそれはそれで構わないんだけどさ。あ……そうだ、お姉の面倒蒼樹に頼も」
「あぁ、面倒見良さそうだからいいんじゃね? 俺は……いいライバルになる気がする」
 中等部三年間で環の成績を抜いたやつはいない。だからこそ余計にそう思うのだろう。
 俺たちはこんな会話をしながら「今後」を予想して笑う。
 なんの根拠もなく感じた直感。「長い付き合いになる」。
 それが間違いではなかったことが数年後に立証された――。
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