光のもとでⅠ
 十分ほど歩くと高校の敷地内にある図書棟にたどり着く。
 図書室への入り口はカードキー。中に入るとカウンター奥にあるドア脇のインターホンを押す。
『はい』
「蒼樹です」
 カチリ、とすぐにロックが解除された。
 中はとても殺風景である。
 適当に見繕ってきたんだろうな、と思われる本棚と、会議室から持ってきた間に合わせの細長いテーブルが三つ。
 それらに対しアンバランスな椅子が三つある。どうやら、椅子だけはいいものを入れたらしい。
「頼まれていた資料、持ってきました」
「助かる」
 秋と先輩はディスプレイから視線を上げ大きく伸びをした。
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