光のもとでⅠ
「コーヒー、淹れましょうか?」
「あー……頼む」
眉間を手で押さえているところを見ると、根詰めて仕事をしていたのだろう。
先輩はハーフと見間違えるほどに顔の彫りが深く、整った顔をしている。この、人目を引く容姿の持ち主は、女性関係に節操がない。
高校のときは知らなかったけど、自分が大学に入ってより親しくなってからそういう部分を垣間見るようになった。
実際に街中で見かけたことはないものの、携帯の使い分けをしている時点で自分と価値観が異なるのだと察した。
いつだったか訊いたことがある。好きな人、というわけではなく遊びなのか、と。すると、
「特定の相手を作るつもりがないだけ。そいうのをわかってくれる相手なら誰でもいいかな? そういう関係を互いが楽しめれば」
「いや、それって……」
「あぁ、そうか。こういうのを遊びって言うのか」
悪びれるでもなくそう答えた秋斗先輩とは、以来恋愛観の話はしていない。
「あー……頼む」
眉間を手で押さえているところを見ると、根詰めて仕事をしていたのだろう。
先輩はハーフと見間違えるほどに顔の彫りが深く、整った顔をしている。この、人目を引く容姿の持ち主は、女性関係に節操がない。
高校のときは知らなかったけど、自分が大学に入ってより親しくなってからそういう部分を垣間見るようになった。
実際に街中で見かけたことはないものの、携帯の使い分けをしている時点で自分と価値観が異なるのだと察した。
いつだったか訊いたことがある。好きな人、というわけではなく遊びなのか、と。すると、
「特定の相手を作るつもりがないだけ。そいうのをわかってくれる相手なら誰でもいいかな? そういう関係を互いが楽しめれば」
「いや、それって……」
「あぁ、そうか。こういうのを遊びって言うのか」
悪びれるでもなくそう答えた秋斗先輩とは、以来恋愛観の話はしていない。