光のもとでⅠ
 カードキーで図書室に入る。と、運よく先日の三人が揃っていた。
「あ、蒼樹。何日振りだっけ?」
 俺はあの日以来ここに来てないどころか、連絡すら入れていなかった。
「先日はどうもありがとうございました」
 ただただ腰を折って深く頭を下げる。
 それは、詳しくは話さない、という意思表明でもあった。
 だから、尽くせる限りの礼を……と、かなり長く頭を下げていた。
「そんな丁寧にお礼されるほど大したことはしてないよ。……大切な友人が困っているのを放っておくほど忙しく仕事をしてたわけでもないから」
 穏やかな声が伝えた内容に少し驚いた。
 今までなら「後輩」と口にしていた部分が「友人」に変わっていた。
「俺らはもう先輩後輩っていうか、友人の域だよね」
 先輩は核心をついて笑みを浮かべる。
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