光のもとでⅠ
 何がどうして失礼なのか。……というより、君、俺に付き合ってほしいって言ったときに言った言葉覚えてる?
「一番じゃなくてもいいから、って優先順位のことじゃなかったの?」
 そんなふうに訊き返してみる。と、
「っ……それは付き合ってる人の中で一番じゃなくてもいいって意味よっ。誰がそこに妹を入れてくると思うのっ!?」
 どうしたことか、彼女はどんどん逆上していく。
 でも、それは今思いついたことじゃないのかな。本当は、俺の一番になりたかった、もしくは彼女になった時点でそう確信していたんじゃないの?
「申し訳ないけど、俺は彼女を何人も作るような非道なことはしない主義」
 何気なく秋斗先輩に視線を向けると、「え? 俺?」という顔をされた。
 いや、先輩、こんなところに居合わせて災難ですね。ここのカフェは自分が持ちます。
 そんな意味をこめ笑いかけてみる。すると、「はいはい」という顔をして傍観することにしたらしい。
「だったら私が一番じゃないっ」
 あれ? まだそんなこと言うのかな。
 今までの話の流れで、俺の中で彼女イコール一番じゃないことはわかると思うんだけど――。
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