光のもとでⅠ
「俺はちょっとした理由からセリのお見舞いには行けなくなった。そうこうしている間に両親と心中されてしまった。……けど、遺留品の中にも遺品の中にもオルゴールと鍵もなかった。セリはオルゴールを大切にしていたから、まさかそれが壊れてしまうような場所へ持っていくことはないと思った。でも、どこを探しもオルゴールは見つからなかった。その見つからないオルゴールを探し続けてもう三年。たぶん、もう見つからないってわかってるけど、諦められないんだよね」
聞いていて違和感を覚えた。
「……唯兄、どうして芹香さんは壊れてしまうような場所へ持っていくことはないと思ったの? ……心中はご両親が計画したものだったのでしょう?」
それはまるで――。
「セリは気づいていたと思う。両親が心中を考えていることなんて」
どうして……。
「わかってて車に同乗したんだと思う。……俺の想像だけどね」
自嘲気味に笑う声が痛々しかった。
聞いていて違和感を覚えた。
「……唯兄、どうして芹香さんは壊れてしまうような場所へ持っていくことはないと思ったの? ……心中はご両親が計画したものだったのでしょう?」
それはまるで――。
「セリは気づいていたと思う。両親が心中を考えていることなんて」
どうして……。
「わかってて車に同乗したんだと思う。……俺の想像だけどね」
自嘲気味に笑う声が痛々しかった。